ジムで泳いだあと風呂に浸かっていると「すぐ家に帰ってくるように、ご主人から電話がありました」とスタッフが伝えにきた。
ちょうど去年の今日、Iちゃんが入院した日でもあり、なんとなく嫌な予感がしたので、急いで家へ車を走らせた。
信号待ちの間に携帯でオトーに様子を尋ねると、「お腹が痛くてたまらん」と苦しそうな声でいう。
急な腹痛なら尿管結石かもしれないと、去年のkenのことを思い出す。
「救急車を呼んだら?」
無駄なこととは知りながら取りあえず言ってみる。案の定、「それほどの痛みではない」という返事。
そうはいっても、電話をかけてくるくらいだからのたうち回るほど苦しんでいるにちがいないと車をすっ飛ばして帰ってきたのに、オトーは平然とした顔で庭でくるみにオシッコをさせているではないか。
「お腹、どうなったん?」と聞くと「もう治った」とけろっとした顔で言う。
ったく人騒がせな。いい加減にせい。プンプン。
くるみにオシッコをさせ終わったあと、「あ、歯医者の予約を忘れとった」とあたふたと出ていった。
そして歯医者から帰ってくると、今日は腹が痛いから飯はいらん、と言って出かけたにもかかわらず、昨日買っておいたステーキ肉を自分でジャージャー焼いて食べている。
ジムに行ってる妻を呼び戻すほどの腹痛を訴えた人がステーキを食べますか?
ったく、クソおやじめ。