ひだまりの中で

日々のできごと。

吉本ばななのブログを読んで

これを記憶に残したいと思ったのでここにコピーしておく。

 

餅餅餅

昔近所ですごく仲良くしてもらって、ずっと尊敬している美代おばあちゃんに会いに施設へ行く。おばあちゃんの娘さん夫婦と久しぶりにしゃべる。

おばあちゃんは100歳。

うちの子どもに、もっともっと思い切り好きなことをしなさい、学校なんて行かなくていいとアドバイスしてくれたり、私に、「こうなってみてわかるのよ、人生は、平凡で、つまらないな、くりかえしだなって思ってることがどんなに楽しかったか。去年できたことが今年はできなくなってる。そうやってだんだんできないことが増えていく。そうなるとね、TV見たり、おしゃべりしたり、お風呂に入ったり、ちょっとした食べたいものを歩いて買いに行ったり、へとへとになって寝たり、そういう退屈に思っていたことがいちばんよかったんだなって思うのよ。頭がはっきりしてるうちに、言っておくわね」と伝えてくれた98歳のときのおばあちゃん。

今はだんだん私のことがわからなくなってきている。若いときならただ泣きたかったこの状況、今はそうでもない。こうして、あきらめさせてくれる時間がだいじなんだ、と思うのだ。絶好調のときに突然いなくなるのではなく、ああ、そろそろこちらも覚悟したほうがいいのだなとわからせてくれる。おばあちゃんはどうなっても私の先生だ。

私がだれだかわからなくても、目を見て「やっぱりもう1回会えたわね」と言ってくれたり、「ねえ、この人におもちを焼いてあげて、のりで巻いたらおいしいわよ」(施設だからそんなことできるわけないのに)とおじょうさんに言ったり、優しかった。